バッグを守りたい。でもこの風合いは変えたくない。コーティングをご検討中の方へ
バッグを選ぶとき、最後に決め手になるのは説明しきれない感覚だったりします。
写真では似ていた二つの色も、実物を見るとなぜか片方に惹かれる。手に取ったときの柔らかさや、光が当たったときの控えめな艶に「これがいい」と思う。
だからそのバッグを守るためのコーティングで気に入っていた表情が変わってしまわないか。そう心配になるのはとても自然なことだと思います。
MIROIR COATの近藤です。
今回は、コーティングの効果と同じくらいご依頼前に知っていただきたい「色・艶・手触り」についてお話しします。
私が目指しているのは、そのバッグらしさを大切にした保護です。
コーティングと聞くと、表面がぴかぴかになったり革が硬くなったりする様子を想像されるかもしれません。「ガラス」という名前ならなおさらだと思います。
ただ、私たちがバッグの施工で目指しているのはお客様が選んだ革の表情や使い心地を大切にしながら、汚れや色移りなどのリスクを軽減することです。
マットな表情に惹かれて選んだバッグも、しっとりした感触が好きで使っている財布もあります。その魅力まで含めて預けていただいていると考えています。
この記事に掲載している3枚は、いずれも実際にコーティングを施したお品物を施工後に撮影した写真です。革の表面の表情や光の映り方をご覧ください。

例えばエルメスの《リンディ ミニ》。持ち上げたときに生まれる柔らかなラインや、身体に沿うシルエットもこのバッグの魅力です。そうした質感や使い心地への配慮についてInstagramの投稿でもお伝えしています。
▶ リンディ ミニの紹介動画を見る|風合いを大切にする施工への考え方
一方で「どんな素材でも色も艶も手触りも、まったく変わりません」と一律にお伝えすることはできません。仕上がりを考えるには素材や表面の仕上げ、現在の状態を確認する必要があるからです。
色・艶・手触りはそれぞれ分けて考えます。
まず、色について。
お客様が気に入っているのは単に「ベージュ」「黒」という色名ではありません。ほんの少しの明るさや深み、そのバッグ特有の色合いです。
そのため、仕上がりをお伝えするときにも色名だけでは十分ではないと思っています。また、写真は照明や角度によって印象が変わります。掲載写真をご覧いただく際も、光の当たり方や撮影条件にも目を向けていただきたいです。

次に、艶について。
艶が増せば誰にとってもよい仕上がりになるわけではありません。控えめな光沢や、落ち着いた質感こそ気に入っている方もいらっしゃいます。
「きれいにしてほしい」という言葉の中にも、「艶を出したい」と「今の雰囲気を保ちたい」という異なるご希望があります。ここは施工前にすり合わせておきたいところです。

そして、手触り。
指で触れたときの感触だけでなく持ち上げたときのしなやかさや、開閉するときの柔らかさも使い心地の一部です。
写真や動画だけでは伝えきれない部分でもあります。「この柔らかさが好き」「さらっとした感触を大切にしたい」というお気持ちも、ぜひご相談の際に教えてください。
同じブランド、同じ商品名でも確認したいことがあります。
バッグは商品名だけで状態がわかるものではありません。
新品か、すでに使われているか。これまでどのようなお手入れをしてきたか。クリームや防水スプレーを使ったことがあるか。
そうしたことも含めて、今のお品物を見ていく必要があります。
白系の《ピコタン》をご紹介した投稿では革の質感やカラー、状態を見ながら複数の施工剤からその一品に適したものを選ぶことについてお話ししています。同じモデルでも一つひとつ確認して考える。その理由も感じていただけると思います。
▶ 白系ピコタンの紹介動画を見る|素材や状態に合わせた施工剤の選び方
以前のお手入れについて、詳しい商品名まで覚えていなくても構いません。わかる範囲でお知らせいただければご相談の手がかりになります。
私自身、施工について考えるときには「何から守りたいか」と一緒に「何をそのまま大切にしたいか」を伺いたいと思っています。
淡い色を楽しみたいのか。日常の汚れを気にしすぎず使いたいのか。柔らかな革の感触を大切にしたいのか。
そこがわかることで施工についてお伝えすべきことも、より具体的になります。
コーティングは傷や汚れを完全に防ぐものではありません。施工後にも、お品物に合わせた扱い方やお手入れは必要です。
それでも大切なバッグを使う時間に少しでも安心を添えられたら。私は、そんな思いでこの仕事をしています。
お気に入りのバッグを手に取るたびに、選んだ日の「やっぱり、この色が好きだな」という気持ちが続いてほしい。そのためにできることを一緒に考えさせてください。
色・艶・手触りが気になる方は、MIROIR COAT公式InstagramのDMへ、お品物の全体写真と、素材の表情がわかる近接写真をお送りください。
「このバッグの風合いが変わらないか気になっています」というご相談からで大丈夫です。商品名や、これまでのお手入れについてもわかる範囲で添えていただけると確認がしやすくなります。
大切な一品だからこそ、気になっていることを伺うところから始めたいと思っています。
MIROIR COAT 近藤